「時合い」ということ [フライフィッシング]
今回の阿寒釣行で気づいたことを書き留めてみます。
釣りではよく「時合い」ということを言います。
特に川釣りでは、「朝マズメ」「夕マヅメ」の「マズメ時」が釣りのチャンスです。
とはいうものの、「朝マズメ」は「早朝5:45~6:59の間」というわけではありません。
天候・水温・水量・風量・風向・水生昆虫などの食餌対象の状況、フィッシング・プレッシャーなどによりその状況は異なります。
湖のフライフィッシングでも同様で、必ずしも、朝だから釣れる、夕方だから釣れる、というわけではありません。
まったく同じ場所に立ちこんでいても、時々刻々と状況は変化していきます。
風の向きや強さ、それに伴う水面の波立ちの変化、流れの方向が変わっていきます。
また、フィッシング・プレシャー(釣獲圧)と呼ばれる、釣り人がサカナに大して与える影響も忘れることはできません。
フライフィッシングの場合、フォルスキャスト時のフライラインの影、水面を叩く音の伝達や衝撃、釣り人の動き、ヒットした時のサカナの動き、などなどがサカナに対して何らかのプレッシャーを与えていることは間違いありません。
それと湖のような止水の場合には、サカナは回遊しているケースが殆んどです。
サケマス類の場合、その場所に定位してまったく動かないということはありません。
また、この時期の阿寒のアメマスやレインボー・トラウト(ニジマス)の場合、群れになって岸に沿って湖を一周しながら食餌するという行動パターンもとらないようです。
それは、岸に沿ってしばらく進んだ後、沖方向に進み、今度は逆に岸方向に進んで岸に沿ってしばらく進む、という三角形(のような形状)の回遊コースを辿るようです。
サカナの密度や水生昆虫や食餌生物の密度などとの関係で、その三角形の大きさは変動し、またサカナ同士の力関係で三角形が密着したり重なったり離れたりするようです。
その点でヒメマスのように群れで行動しているのではなく、複数の三角形がすこしずつずれながら移動しているようです。
今回の阿寒釣行では、この三角形を一周するのにおよそ30分ほどかかるケースが大半でした。
それは、およそ30分毎に何らかのサカナの反応が現れることが証明しています。
水面上から観察できるライズ・リングが見られなくとも、ドライフライをニンフに替えてみれば、その回遊タイミングの時に反応が現れました。
今回のぼくたちは、あまり場所を移動せず、このタイミングをはかって釣ることにより、コンスタントな釣果を上げることができました。
とはいうものの、水面上には何の反応もなく、時には強風が吹き荒れる湖面に立ち続けるには、それなりの経験と経験に裏打ちされた自信とが必要でした。
それがなければ、「ここサカナいない」とか「今日はでない」とか言って、すぐに場所を変更していたでしょうね。
こんな風にして、「時合い」を読むことによって、フライフィッシングの世界がまた一つ開けて行ったような気がします。
自然の地平とフライフィッシングの地平は果てしなく広がってゆきます。
※ここで問題です。
次の2枚の写真のそれぞれで、釣り人はどこにいるでしょうか?
「時合い」って、日本的でいい言葉ですね。
by hisa (2011-07-01 13:26)
hisaさん。
きっと江戸時代からあることばばと思います。
いかにも「釣り師」が使うことばだと思いますから。
by Norry (2011-07-01 22:13)
湖の魚も回遊するんですねえ。
初めて知りました。
by ナツパパ (2011-07-01 22:20)
なつぱぱさん。
ぼくは回遊の事実には気がついていましたが、今回の発見したような三角形の回遊ルートを辿ることに気がついたのは、今回が初めてです。
by Norry (2011-07-01 22:27)